北海道渡島地区で約20台の車輌を自社保有する運送業者様。
乗務員の安全運行を重視する同社は、従来よりタコグラフチャート紙による連続運転時間、休憩時間の管理を行ってきた。
同社の運行管理に携わるご担当者様は「昔は乗務員が一番楽と感じる運行イコール一番安全だと認識していた時代。 強制的ではない分、燃費もよく、修繕費も少なく、経済性は高かった。しかし今は全て管理の時代。乗務員の体調や道路状況よりも法律が優先。 デジタコも検討したが暖気運転から、整備作業員が手を掛けた時間まで拘束時間に自動カウントするなど問題も多く、給与システムとの連動が煩雑で、 アナログに拘ってきた。業務の多様化で2名が1日4台の車両を乗り換えて運行するなど、管理項目や保管書類の増加で限界に来ていた。」と語る。
従来、タコグラフの確認は、目視により連続稼働時間、休憩時間を確認。メモ書きした時間を労務管理システムに転記する作業を行ってきた。 目視・手作業による確認作業は1枚あたり7~8分程度。1日分のチャート紙を確認するために最大、180分程度の時間を要していた。
「毎日処理できれば問題はないが、出張もあるし長期不在となれば、見ただけでげんなりする厚さのチャート紙が待っていた。」と同氏は振り返る。
確認作業効率化のため、同社ではタコグラフマネージャの導入を検討。従来の労務管理システムとの連動性を検証し、平成25年12月に導入を決定した。
導入初日、20枚のチャート紙確認に要した時間は45分と、事務作業削減率71.9%を達成した。導入効果に関して同氏は、 「導入初日、指導を受けながらスキャナーに読み取りさせるだけでチャート紙が横一直線に変換。地球儀が平面図になったような感覚。 ものの10分で戸惑うことなく処理が進んだ。
現在はスキャナーの読み取り時間を利用して運転日報から給与システムへの入力と運転時間の吸い上げを自動で行っているため、 2時間半から3時間半掛かっていた作業がトータルで40分以下。新年挨拶廻りの出張後も3日分溜まったチャート紙を2時間で処理してしまった。 おそらく80%は省力化している。
課題としては、現在は除雪作業日報作成に特化したシステムであり、運送には必要のない項目も含まれていること。スキャニング作業や補正方法の簡素化等、 さらなる効率化に向けた機能改善が望まれる。
運転・休憩・積み・卸の時間指定・色分けができればなお一層運送業に適したソフトとなろう。アナログの良さを残したままでの、この秘めたポテンシャル。 今後大いに期待できる。」と語る。
登録情報はCSV形式に一括出力。エクセルでの管理も可能。 |