東北地方でも有数の豪雪地域で知られる山形県新庄市。除雪業務を担当する新庄市役所都市整備課では、平成24年度に日報データ集計・閲覧用システムを導入。除雪機械運転日報とタコグラフチャート紙の整合確認作業の効率化を実現した。
平成24年度の除雪シーズンは例年にない豪雪が続き、平成25年1月26日未明から早朝にかけては同シーズン最高となる53cmの大雪に見まわれた。
「3年続きの豪雪が現実となり、高齢化が進んでいる地区には生活に多大な影響が出ることが予想された。」と主幹兼道路維持管理室長(当時)の松坂氏は語る。
市道除雪は75工区 100台の除雪機械を配置。延べ稼働台数は1シーズンあたり5,000台を超える。
除雪報酬の積算は、機械稼働1時間あたり単価で計算され、受注者には根拠資料としてタコグラフチャート紙を貼付した除雪機械運転日報の提出が義務付けられる。
平成25年1月期の1ヶ月間に提出された機械運転日報は1,700枚を超えた。
積算業務は従来、課内の職員全員が持ち回りで行い。通常主業務後の残業で対応した。「以前からタコグラフの確認作業には、多くの労力と担当職員の負担が大きく、単純ミスも発生する要因となっていた。なんとか改善ができないか模索していたところ、(株)ワイズのホームページに行き当たり、試験的に導入できないか、お互い検討を重ねた結果、導入の運びとなりました。」と松坂氏は話す。
都市整備課では積算業務効率化のため、平成24年12月より日報データ集計・閲覧用システムを試験導入。降雪量が多くなった12月下旬から翌1月には日報・タコグラフ画像のデータ化作業を含めた試験委託を実施。積算業務効率化に関する評価後、システムの正式導入を決定した。
「積算の時間短縮は言うまでもなく、担当職員の精神的負担の軽減や予算管理の迅速性は図られた。今後の課題として、除雪業務は各自治体で対応のバラツキが著しいため、それぞれの自治体にあったソフトの検討と改善が必要と思われる。」と松坂氏は語る。