国土交通省「建設現場の生産性を飛躍的に向上するための革新的技術の導入・活用に関するプロジェクト」に(株)ワイズ・(株)フクザワコーポレーションが選定されました

国土交通省は、「建設現場の生産性を飛躍的に向上するための革新的技術の導入・活用に関するプロジェクト」として、計33件を選定し、 株式会社フクザワコーポレーションと株式会社ワイズのコンソーシアムが行う、「中津川上流第1号砂防堰堤その7工事」でのプロジェクトもその1つとして選定されました。

「建設現場の生産性を飛躍的に向上するための革新的技術の導入・活用に関するプロジェクト」は、公共土木工事において、革新的技術による施工データ等の取得・解析を試行するによって、建設現場の生産性向上を目指し、公募されたものです。選定された技術は、各地方整備局と委託契約を締結し、直轄工事の現場などで試行されます。

詳しくは、国土交通省のホームページをご覧ください。


(国土交通省発表資料より)

今回、株式会社ワイズ・フクザワコーポレーションのコンソーシアムが選定されたのは、写真整理業務の生産性向上に寄与する、“AIを使った画像解析機能付きソフトウェア“の新技術です。
建設現場においては、各工程において工事写真を撮影し、写真整理ソフトウェアを用いて、それぞれの工種・種別・細別ごとに分類し発注者に提出する必要があり、施工管理情報も入力する必要がありました。
従来、手書き黒板で撮影した工事写真は、撮影後に黒板の内容を目視で確認し、振分け作業と黒板内容の入力を手作業で行っており、①目視・手動では作業の手間が膨大、②大規模工事では撮影枚数が膨大になり、施工管理技術者の大きな負担となっていました。


従来の写真管理ソフトウェアのイメージ

今回選定された技術では、AIによって手書き黒板を自動認識し、工種振り分け、施工管理値の入力が自動化され、黒板の記載内容はデジタルデータ化されます。 写真整理に係る時間を削減することにより、施工管理技術者の事務負担を大幅に軽減するだけでなく、自動処理中は並行作業が可能なため、一人当たりの生産性向上に貢献します。


AIを使った画像解析機能付きのソフトウェアのイメージ

試行業務では、“従来のソフトウェア”を使用する場合と、“AIを使った画像解析機能付きソフトウェア”を使用する場合、双方を比べながら実証実験を行っており、現在は従来の手法の3割から4割ほど削減する見通しです。

プロジェクトに選定された「中津川上流第1号砂防堰堤その7工事」の着手に伴い、国土交通省 北陸地方整備局様が中津川砂防堰堤工事現場を視察されました。
国土交通省 北陸地方整備局様には、最初に工事の概要とAIを使った画像解析機能付きソフトウェアの専用黒板についてご説明申し上げました。その後、現場事務所にて、ソフトウェアのご説明とデモを行い、今後の試行についてご指導いただきました。


中津川上流第1号砂防堰堤その7工事現場

専用黒板の説明をする様子

専用黒板での工事写真撮影

平成30年11月5日から年11月16日にかけて、実際に新技術の試行が行われました。今回の試行では、新技術を活用した写真整理作業と従来技術による写真整理作業の作業時間をそれぞれ比較し、新技術を用いた場合の認識精度についても調査されました。
その結果、撮影した写真の作業に要した時間を比較したところ、新技術を使用することで、手動・目視での作業時間が69.9%も削減され、さらに、システムの自動処理時間を含めた処理時間は36.6%と削減されると算出されました。
今回の試行によって、新技術が施工管理技術者の生産性向上に十分貢献可能な技術であると示される結果となりました。