2017年7月25日 国交省は中央建設業審議会総会を開催し、経営事項審査改正と建設工事請負契約約款の改正について審議された。
建設工事請負契約約款の改正審議では、国交省直轄工事で10月以降で適用予定の2次下請以降の社会保険未加入業者との契約に対する違反罰規定を含んだ条文案が提示された。
あわせて、社会保険未加入業者との下請契約に対し、違反罰を課していない自治体に配慮し選択して条文を採用できるよう措置が計られた。
さらに、受注者が発注者に提出する請負代金内訳書に、法定福利費を内訳として明示することを標準化することも示された。
また、現行の公共工事請負契約約款において、受注者が契約を解除した場合、公共工事発注者に対して違約金を支払う義務が課されているが、受注者の倒産等により、破産管財人等が契約を解除した場合においても同者に対して違約金の支払い義務が課される措置を図る。
違約金規定の措置について、委員からは以下の意見が寄せられた。
「破産管財人に対して違約金を請求する場合、破産会社の下請業者への支払い分が減るという問題も生じる。下請保護の観点からも運用にあたっては、そういった点にも配慮し場合によっては違約金の請求をしない等の配慮もお願いしたい。」
「社会的観点からの公正性(税金を使う仕事)という面では行うべき措置ではあるが、実務的な観点では公共工事発注機関の事務負担増により、かえって税金を多く使うということにもなりかねない。違約金請求に関しては運用上柔軟に対処すべき。」
建設工事請負契約約款の改正は今回の審議で承認され、今後、改正に向けた手続きが進められる。