3月7日、国土交通省は、建設現場の生産性を向上させ、魅力ある建設現場を目指す「i-Construction」のトップランナー施策のひとつ「ICTの全面的な活用」に向けて「第4回ICT導入協議会」を開催した。
冒頭、立命館大学理工学部環境システム工学科 教授 建山和由様より「実は先週、京都の河川堤防の現場を見てきたが、スムーズな導入を図って行くには、まだまだ課題もあると感じている。これら課題を分析整理し、改善されるご提案をいただきたい。また今後工種を広げていくという、新しい提案を今日ご呈示いただけるとお聴きしております。ここで議論されたことが反映されますように、忌憚のないご意見をいただきたい。」と挨拶があった。
議事では事務局より提示された資料を基に、1.ICT土工の現状分析について、2.ICT土工の「カイゼン」について、3.自治体への普及拡大について、4.ICT舗装について、現状報告及び説明・提案がされ、それぞれについて各委員より意見が出された。
<ICT土工の現状分析について>
ICT土工の現状、活用効果に関する調査、コスト構造分析、活用実施体制、活用工事の改善要望などが報告された。
これにより、現場での実践を踏まえた基準改訂を行うこと、現場での運用に関する問題点や、小規模施工に対する措置について、ドローン、レーザースキャナ以外の機材への適用拡大を検討する。
参加された委員からは、「ICT土工によって施工時間が増えてしまった理由を調査し、更に改善箇所を分析してほしい」と意見があった。
<ICT土工の「カイゼン」について>
ICT活用工事での実践を踏まえた課題や、さらなる効率化をもらたす新技術に対応するため、15の基準類のうち6の基準類を改訂する。
また、新たに12基準類を新設・改訂することが報告された。
参加された委員からは、「測量を含めた作業の簡素化によって、生産性の向上につながると評価できるものだと思っている。また新しい機器の採用によって、要求している精度が違うので、現場で実証しなければならない。」と意見があった。
<自治体への普及拡大について>
自治体におけるICT土工等実施状況、自治体に広めていくことの課題、普及体制の確立などについて報告された。
モデル事業を通じて、普及を図っていくことを検討している。
参加された委員からは、「自治体へ指導をいただけるのはありがたい。実際にやれるという指導のもと実現していただいて、そこで出た課題を分析して次のステップに進めるようにしていきたい。」
「普及拡大のために、指導者は各いろいろな業界が協力していかなければいけない。」等の意見があった。
<ICT舗装について>
施策の対象、出来形管理の効率化、品質管理の効率化、長期性能の面管理とモニタリング、導入する場合の対象作業、ICT舗装の発注方針(案)、ICT舗装工の10基準などを説明された。
舗装工でのICT活用においては、29年度より国土交通省の直轄工事で導入が始まる。
まずは新設舗装工事の路盤工が対象となるが、徐々にアスファルト舗装工などにも広げ、拡大していく方針だ。