2017/02/22 国土交通省 「第2回 建設産業政策会議 法制度・許可ワーキンググループ」が開催。建設業許可制度や技能労働者について議論。

国土交通省は2月21日、「第2回 建設産業政策会議 法制度・許可ワーキンググループ」を開催した。

「建設産業政策会議」は10年後の建設産業を見据え、建設業関連制度の基本的枠組みについて検討を行い今年6月をめどに取りまとめを行う。
「建設産業政策会議」では「法制度・許可ワーキンググループ」、「企業評価ワーキンググループ」、「地域建設業ワーキンググループ」の3つのWGを立ち上げ、今回は第2回の「法制度・許可ワーキンググループ」が開催された。

<建設業に求められる能力等と制度上の対応>

建設業法においては、不良不適格業者の参入を排除する観点から、許可制度により参入要件(経営能力、財産的基礎、業種ごとの技術力、確実性、欠格要件)を課している。
また、許可制度に加え、許可における観点の上乗せ(会社の経営規模や経営状況、技術力)や、労働福祉や地域の守り手、担い手の確保については、経審においても確認がなされている。
そういった許可や経審との関係も踏まえ、建設業に求められる能力等、情報開示のあり方も考慮し、労働環境、女性活躍、地域貢献など今後制度的に対応すべきものはあるか、検討事項として挙げられた。

※上記資料は「第2回 建設産業政策会議 地域建設業ワーキンググループ」資料より引用

<建設業許可制度における経営業務管理責任者要件について>

要件の一つとして、『経営業務管理責任者要件』(建設業の経営に関する一定の経験を有する者が、一名以上常勤役員等であること)がある。

現行の建設業法では、適正経営の確保を図るために経営業務管理責任者要件を課すことにより、経営の安定性の観点から、建設業者としての適正性を判断しているが、以下の2点が検討事項として挙げられた。

・経営の安定性をどのように判断していくことが適当か
・許可の際に判断された経営の安定性が、許可期間中確保され続けるために、どのような取り組みが必要か

参加された委員から以下のような意見が出された。
・経営業務管理責任者について、地方の小規模の建設業者の経営実態を考えていく必要があるのではないか?原則5年、例外で7年の経験を有する取締役は新規の業者ではなかなか見つからない。そのあたりを少し工夫する必要がある。
・研修制度や、経営能力をある程度実証できる一定の資格などが必要ではないか?
・経営業務管理責任者要件について、優良事業者を認定して、規制を緩和できるようにするなど、もっときめ細かく作る必要がある。

<建設業許可制度における営業所専任技術者者要件について>
要件の一つとして、『営業所専任技術者要件』(営業所ごとに、専任の技術者を置くこと)がある。

※上記資料は「第2回 建設産業政策会議 地域建設業ワーキンググループ」資料より引用

現行の建設業法では、各営業所ごとに技術者を置くことを課すことにより、業種ごとの技術力を確保し、建設工事に関する請負契約の適正な締結及びその履行を確保する観点から設けられたものである。
建設業の拠点である営業所は、どのような機能や体制が備えられているべきかが検討事項として挙げられた。

参加された委員から以下のような意見が出された。
・営業所の実態を有するかどうかの判断については、経営実態も踏まえて検討してしかるべきだと思う。
・営業所について、本当に営業所で契約をするのに技術者がいないといけないのか?そこまで必要があるのか?

<技能労働者の位置づけについて>
これまで、建設業法では、工事現場に監理技術者又は主任技術者を配置することにより、工事が適切に行われることを前提としており、当該技術者以外の工事現場のプレーヤーは位置づけがされていなかった。
建設工事の現場における技能労働者の果たすべき役割を踏まえ、制度上の位置づけを検討すべきでないかということが検討事項として挙げられた。

参加された委員から以下のような意見が出された。
・登録基幹技能者は技能者の中の推奨版なので、できるだけ表に出してほしい。建設業法では出てこない言葉なので、どこかに出すことによって優良な技術者を育てることが大事。

第2回となる今回は、事業規模や業務内容に応じた許可要件の在り方が問題提起された。

「建設産業政策会議 法制度・許可ワーキンググループ」は今後も開催がされ、今年6月をめどに取りまとめがされる。

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