2016/08/01 経審・技術力で2点加点に。「登録解体工事試験」「登録基礎ぐい工事試験」/中央建設業審議会総会
国土交通省は7月29日、昨年11月以来となる中央建設業審議会総会を開催した。
冒頭、国土交通省 谷脇 暁土地・建設産業局長より
「人口減少・高齢化など大きな社会変化の中で
建設産業政策全般においていろいろな課題があろうかと思う。
そのような課題にどう対応していくべきなのかを今後ご議論いただく必要があると考えている。
本日は今後の建設産業施策として重要な点においてご意見を賜りたい。
さらに、建設業法の改正に伴い、新しい業種として6月から解体工事業が新設された。
これに伴い経営事項審査の改正が必要となっており、この審議会でご審議いただき、
決定したいと考えている。」と挨拶があった。
総会は以下の通り進められた。
(1)基本問題小委員会中間とりまとめについて【報告】
(2)民間建設工事の適正な品質を確保するための指針について【報告】
(3)経営事項審査における技術職員の評価方法の改正について【審議】
(4)建設産業に係る今後の制作検討の進め方について【意見交換】
(1)基本問題小委員会中間とりまとめについて【報告】
はじめに、平成27年12月25日に
「基礎ぐい工事問題に関する対策委員会」において発表された
中間とりまとめが事務局より報告された。
中間とりまとめでは、建設業に係る構造的な課題を大きく3つに分け、対応策を提示している。
現時点ではこのとりまとめに従い、施策を実行していく考え。
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中間とりまとめについて、委員からは
「現場やしくみ等のソフト面での生産性向上についても
並行して検討していただきたたい」といった要望や、
「建設業を進めるにあたっての請負という契約形態も構造問題のひとつではないか」
といった建設業の本質に迫る課題について言及があった。
(2)民間建設工事の適正な品質を確保するための指針について【報告】
続けて、民間建設工事の適正な品質を確保するための指針(民間工事指針)の報告があり、
委員からは
「適切な請負契約が結ばれるための基本的な枠組として、
今後建設工事の場で広く適用されることが期待される」や
「今後は民民関係の建設業のあり方が主要なテーマになってくるはず。
この指針は良い取り組みだと思う」と期待の声が聞かれた。
(3)経営事項審査における技術職員の評価方法の改正について【審議】
また、経営事項審査における技術力(Z点)の評価方法の改正(案)について、
新たに主任技術者要件となった
「登録解体工事試験」及び「登録基礎ぐい工事試験」の位置付けについて審議された。
両資格については、一般知識や関係法令等の科目に加え、
施工にあたっての技術上の管理に関する科目も課されており、
合格後は実務経験を要さずに主任技術者となることが可能となる。
そのため、経審上の評点として、2級技術者資格(2点)に位置づけるのが適当とし、了承された。
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(4)建設産業に係る今後の制作検討の進め方について【意見交換】
最後に、建設産業に係る今後の政策として
事務局は、以下の通り3つの柱として課題を整理し、それぞれ2つずつ具体的な課題を提示した。
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各委員からは、
「地方の課題として、技術者の後継者問題は重要。迅速な対応が求められる」
「生産性の向上についてはいくつかの切り口があると思う。
どのような切り口に焦点をあてるのか、
政策として何を目指すのかといった点を整理して有効な政策を検討してほしい」
「民間と民間との関係において、今後どう行政が関わっていくかは考えていくことが必要だと思う」
「発注者側にも、技術力の有無で違いがある。実態に則したしきりの形・位置付けが必要ではないか」
「建設業の信頼性の確保について、国民、消費者の利益を救い上げるのは行政。
そういう視点を入れたしくみづくりを」
「技術の継承や技術の進歩に合わせて、研修が必要。
閑散期に研修を充実させるなど、国を挙げた技術の完成に取り組むべき」
「教育訓練はもっと厚労省と連携を深めてほしい」
などの具体的な意見が相次ぎ、活発とした意見交換がなされた。
課題解決に向けては、政策検討のための研究会等を組織し、新たな検討の場を設置する考え。
また課題に応じた建設業許可制度・請負契約・経審・技術者制度・入札契約制度など、
建設業関連制度の基本的な枠組みについて、新たな検討の場を設置して再検討を行っていく方針だ。