2013/07/26 2Dバックホー・傾斜計等を新たな情報化施工技術としての位置付けも検討
第14回 情報化施工推進会議

 平成25年7月25日、第14回情報化施工推進会議が開催され、冒頭、国土交通省大臣官房技術参事官(総合政策局担当)清水亨氏と、 委員長の建山和由氏(立命館大学理工学部環境システム工学科教授)が新たな「情報化施工推進戦略」に対する挨拶に立った。

建山和由委員長
建山和由委員長(立命館大学教授)

 事務局である国交省より情報化施工の取り組み状況について説明があり、活用工事件数については、5年間で9.1倍になり、 技術別の活用回数としては、TS出来形(土工)が5割以上となる530件と最も多いことがわかった。

情報化施工技術の活用工事件数

 また地方整備局別の活用回数としては、中部地方整備局が発注者指定としては0件であるにも関わらず、 施工者希望で320件余りと他の地整を大きく上回る活用回数であることが報告された。
 事務局からは、中部地整では設計積算では情報化施工を計上していないが、試験的にあらゆる技術を一般化技術として 定めたこと、総合評価で高めに加点していることと、実際に利用して便利だから活用されているのではないかとの説明があった。

情報化施工技術の総活用回数

 今年度から3年間の目標活用件数・活用率として、モーターグレーダのマシンコントロール(以下MC)技術の活用率が、 平成25年度目標として60%と高めであることがわかった。その他、GNSSによる締固め管理技術・ブルドーザ技術、 バックホー技術については2年後の平成27年度の目標として同60%の目標設定とされた。

平成25年度の取組

 また国土地理院より、電子基準点のGNSS対応、及び電子国土Web等を利用した「見える化」の報告があった。 近年、米国の運用するGPS以外に、ロシアのグロナス(GLONASS)や、我が国の準天頂衛星初号機「みちびき」が 利用できるようになり、東日本大震災の対策として当初計画より6年前倒しして、今年の5月10日より 全国の電子基準点でGNSS(GPS等の総称)のデータ提供が始まったことが報告された。

GNSSデータ提供の意義

 グロナスとの併用により今迄より観測速度が上がるだけでなく、精度や測位解も向上することが示された。

GNSS利用の効果

 更にマップアップリンクの一例として、橋梁の3次元CADデータ(DWG形式)をKML形式(地図用)に変換し、 Google Earthと重ね合わせた3次元表示や、帳票を地図上に見える化するマップシートが紹介された。
(http://www.gsi.go.jp/johofukyu/johofukyu40026.html)

情報化施工推進会議

 最後に今後5カ年の『具体的実施事項』(案)について議論があり、道路では今迄主に路盤工・表層工が主体であった 情報化施工だが、今後は路床・路体を含めた一連の事業に一括して情報化施工を導入し、コスト・品質等への効果 及び課題を検証する方針が示された。TS、MC、MG等以外の新技術及び既存技術についても新たに情報化施工技術として 位置づけ、推進する方針が示された。

具体的実施事項(案)

 情報化施工はCIMの施工部分であることから、CIM検討会議と連携しながら更に普及が図られる方針だ。