2013/02/06 情報化施工 全都道府県工事で2018年度迄に一般化 新たに舗装工が実用化技術として追加
TS出来形(特定規模以上の土工)は一般化へ、MC(MG)は一般化推進技術として検討を継続
国土交通省は第13回情報化施工推進会議を開催し、情報化施工技術の一般化判断と新年度から始まる
次期「情報化施工推進戦略」について議論を行った。
議題の1つ目として、平成24年度の直轄工事における一般化推進技術(土工におけるTS出来形管理、
MC技術モーターグレーダ)の一般化について判断が示され、TSによる土工出来形管理技術は24年度
工事の特定の施工規模以上の土工を含む工事の半数以上で活用される見通しが立ち、更にコスト低減
効果を評価した結果、コストは同額になることが報告され25年度において特定の施工規模以上の土工を
含む工事で一般化されることとなった。
このため、土工におけるTS出来形管理は、2月中旬までに関係団体に事前説明が行われ、4月1日以降
に契約される工事から一般化されることになった。特定の施工規模の具体的な数値については「検討中」
との回答であった。
一方、マシンコントロール技術(モーターグレーダ)は、同じく半数以上の路盤工事で活用される
見通しは立ったが、コスト低減効果を評価した結果、直接工事費ではコストが若干低減したものの、
間接工事費及び工事費全体では若干増加する結果となり、25年度に一般化されないことになった。
コストが増加した原因について国土交通省から、「日あたり施工量が少ないことや導入コストが大きい
ことに加えて、3次元データの作成費用が大きいことなどが原因ではないか。今後、コスト削減の対策を
検討したい」と説明があった。
委員から「本来は施工方法については受注者の任意のはずなのだから、コスト縮減が出来ないので
あれば総合評価か工事成績での加点措置はないのか?」との質問に対して、国土交通省から「現在検討中
なのでお話しできないが、3月の委員会ではお知らせ出来ると思う」と回答があった。
実用化検討技術としてTS出来形(舗装工)・MC(AF)が追加
平成30年度(2018年度)迄に全都道府県で情報化施工を一般化へ
2つ目の議題として、平成25年度から29年度までの5年間における情報化施工推進戦略の素案が
示され、5つの重点目標が定められた。
この内、情報化施工の普及の拡大に関する重点目標として、平成22年8月2日付けで一般化・実用化
目標として通達された5つの情報化施工技術に加えて、今回は新たに舗装工に関する2つの技術が実用化
検討技術として示された。
また、地方公共団体への展開に関する重点目標として、平成30年度(2018年度)迄に全都道府県と
政令指定都市の発注する工事で一般化技術の活用を目指すことになった。
この他、スマホを利用したダンプトラックの運行管理システムの様な情報化施工とは違うところで既に
実用化されている技術についても委員から質問があり、優れたものについては今後推進する技術・工種の
拡大にあわせて情報化施工に採り入れていく方針が示された。
これで素案についてはほぼ了承された形となり、今後の意見照会を経て3月14日には次期情報化施工
推進戦略が正式に策定される見通しである。